資金繰りに関わる要素

資金と言う言葉を聞くと、皆さんはどういったものを連想しますか。恐らく私たち一般消費者のレベルで資金を語るなら、恐らくマイホーム購入資金とかマイカー購入資金、或いは結婚資金等、まとまった出費或いはそれに備えて蓄えておくお金のことを指すのではないでしょうか。

それほど資金という言葉は私たちにとって非常に馴染み深いものですが、資金は長い、或いは短いといったサイクルに基づいてそれを性格づけることができます。

具体的には資金は短期的に循環するものと長期間投資されるものとに区分して考えることができます。前者が運転資金であり、これを経常収支と言います。また後者は設備資金であり、これを経常外収支といいます。

ところでここまで資金繰りに関して話をしてきましたが、では資金繰りに大きな影響を与える要因としてどういったものがあるのでしょうか。それを理解するためにまずは企業の目的、その存在意義を考えてみてください。

企業の目的は結局のところ利潤を上げることです。企業は製品を生産して販売するか、サービスを提供するか、或いはその他の手段を使って収益を上げます。

従業員に支払われる給与も当然この収益から出ているわけで、逆に言えば収益の上がらなくなった企業はその存在意義も存在基盤も失い、最後には淘汰されていくわけです。

当然ながら資金繰りにおいてはこの収益が決定的な要素の一つと言えるわけです。

例えば企業において営業担当者が商品を顧客に売った場合、その売上は商品等が顧客に引渡された時点で計上します。

しかし、100%現金商売というケースを除けば、その取引において売り上げは計上されても、現金の受払いはその時点では完了していません。

これはどういうことかというと、例えば皆さんがスーパーやコンビニで買い物をしたり、レストランや喫茶店で食事をしたとき、いつお金を払いますか?当然皆さんはその場でお金を払うでしょう。クレジットカードで支払うとか、高価な商品を分割払いで購入でもしない限り、スーパーでの買い物やレストランの食事で後払い、といったケースは殆ど無いでしょう。

ですがこうした取引は現在の経済社会では寧ろ少数です。企業同士の取引、特に1ヶ月間に、はたまた1日の間に何度も取引をしているような場合では、取引の度にいちいちお金を払って精算していたのでは煩わしいことこの上ありません。

従って時期を区切って、まとめて精算することが普通です。企業の支払い条件で例えば「毎月何日締め、翌月何日払い」等と言われる物がこれです。こうしてまとめて売上債権が決済されて、そこでようやく利益と現金の動きは一致することになります。

商品を顧客売る場合

このように企業が顧客に商品を売った場合、その売り上げが計上されてから実際に顧客から代金が支払われるまで一定のタイムラグがあるのが普通です。

また企業にとって商品を顧客に売って、それで売り上げが上がることは何より喜ばしいことですが、一般的には売上が増加すると、それに伴って必要な運転資金も増加して、資金繰りは一時的に窮屈になります。これはわかりやすく言えば、顧客に売るための製品を生産するとなれば、当然その製品の生産コストがかかります。

その生産コストが回収されるのは、顧客から製品の代金を受け取るときですから、上記のように一時的に資金繰りが窮屈になることは理解できると思います。

企業にとっては収益が生命線です。利益を上げることが企業の宿命と言ってもいいでしょう。ですが今見てきたように、実際のところは短期的には、利益があれば資金繰りは楽になるとは一概には言い切れないところがあります。

とはいえ当然ながら一連の取引がすべて終わり、無事に顧客からの製品代金が入金されれば、企業はここで初めて収益を得ることができ、取引前に比べて利益の額だけ資金は増えるわけです。

結局のところ長期的に見れば収益力の高さが資金繰りを安定化させることになります。